Columnジョイエスのよもやま話
不動産やローンに関するコラム
不動産や不動産担保ローンのわかりにくい用語の解説、気になる融資事例や金融情報などを不定期にのんびり更新して行きます。
取り上げて欲しい内容があるようでしたら、ご連絡をいただけましたらテーマに沿ったよもやま話を作成いたしますので、お気軽にご連絡くださいね。
当コンテンツは、時事性よりも教科書的な要素の強いコンテンツを発信しております。
過去の記事であっても永続的な役割を持つべく配慮したいと考えておりますので、何かの折にご意見・ご感想をいただけましたら幸いでございます。
不動産担保ローンの基礎知識
融資を受ける前に知っておきたい不動産担保ローンのメリット・デメリット
不動産担保ローンはご自身または親族が所有している不動産を担保にして長期返済で融資を受ける事が出来るローンです。
不動産担保ローンには非常に多くのメリットがあります。
不動産担保ローンのメリットやデメリット、不動産担保ローンが向いている人などをご紹介いたします。
不動産担保ローンとは?
所有する不動産を担保にして長期に低金利で大きな資金を調達するローンです。
通常のマイホームを取得する為の住宅ローンとは異なり基本的には所有されてる不動産を担保に融資枠を設定して融資を行います。
融資枠の評価が見込めれば購入時の住宅ローンの借入残高が残っていても融資を受けられる場合があります。
(会社によっては2番順位での融資は行わない会社もございます。)
不動産を担保にいたしますので返済が滞れば任意売却、競売等により返済を求められる場合もございますので居住用不動産を担保にする場合には自宅を失う場合もございます。
無担保で融資を受ける信用融資とは違い不動産を担保にいたしますので大きな資金を長期にローンとして組めます。
新規に事業を起こす為に資金が必要な場合、事業計画等がしっかりしていれば事業実績が無くても担保評価内であれば融資を受けれる事があいます。
不動産担保ローンのメリットは? 他のローンとはここが違う?
①不動産担保ローンは資金使途が自由
宗教法人に寄付、犯罪性の資金等の反社会的な資金で無い場合、資金使途はお聞きしますが住宅ローン、マイカーローン等と違い借りた資金の使途に厳しい制約はございません。(お客様が総量規制に抵触する場合には資金使途制約を受ける場合もございます。)
②返済計画が立てやすい
年齢に応じた長期ローンを組むことが可能なので毎月の返済額を低めに設定し自分のライフプランに合った返済計画を組む事が出来る。
③金利が信用で融資を受けるよりも低い
不動産を担保にしますので無担保で資金を借りるよりも低い金利で融資を受ける事が出来る。
④大きな融資金額を受ける事も出来る
担保評価、返済能力に問題が無ければ数百万、数千万の大きな融資を受ける事が出来ます。
⑤事業をこれから開始またはまだ事業を始めて間もなくても融資が受ける事が出来る
確定申告、決算を経ていなくても担保評価、事業内容がしっかりしていれば融資を受ける事が出来る。
⑥保証人の必要が無い
不動産を担保にいただきますので担保所有者以外の人的な保証人は基本的に必要ございません。
⑦融資の審査が通りやすい
銀行等の融資に比べ、担保評価を基本で見ますので融資評価があり返済能力がある方は審査が通りやすいです。
※上記内容は会社毎の商品構成により変わりますので詳しくは融資を受ける会社にご相談ください。
※総量規制の法律上、評価があってもお断りされる場合もございます。
不動産担保ローンのデメリット? 借りる前に知っておきたい事?
①ローン返済が滞ると不動産を失う恐れがある
無担保融資と異なり不動産を担保に取りますので返済の遅れが生じ返済計画に応じていただけない場合には競売又は任意売却にて不動産を処分いただき借入額の返済に充てていただく場合がございます。
(返済の遅れが生じない場合には約定どおりの返済ですので任意売却を求められる事はございません。競売、任意売却時にはローン返済分以外の残金はお客様のお手元に残ります。)
②融資の決済まではお時間がかかります
無担保融資と異なり不動産担保ローンの場合には不動産の査定、金額が大きい為、返済可能か審査いたしますので融資の決済までは短くて2?3日長い場合には1?2週間掛かる場合もございます。
大きな金額のご融資ですので双方にデメリットが生じない様に審査には時間を掛けさせていただいております。
③税金等の未納分はご返済いただきます
融資時点での滞納部分の税金分は融資金等においてご返済いただいておりますので希望融資額+税金支払い分等で融資金が当初お申込みより大きくなる場合もございます。
現在では税金の未納部分に対する国、役所等の徴収は厳しくなり不動産、給与差し押さえ等のスピードは速くなっております。
長いローン返済ですので支払いは一本化し返済額をスリム化し無理のない返済を心がけましょう
④登記費用、事務手数料等の諸経費が発生します。
不動産担保ローンの場合には融資時において融資金額の数%(会社により異なります)の事務手数料という費用が掛かります。
また不動産鑑定費用(掛からない会社もございます)、印紙、登記費用等の諸経費が掛かります。
諸経費は融資をお申込みになる前に担当者にお尋ねのうえ、金額を把握して申込みをされる方が良いと思います。
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001. はじめまして
株式会社ジョイエスブログ担当の立花です。
金融、不動産に関するわかりにくい事、当社の事例等を不定期に更新して行きますので宜しくお願いいたします。
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002. 銀行とノンバンクの違い①
今回は意外と分かりにくい銀行とノンバンクの違いを説明いたします。
まず銀行は現在多岐にわたり業務を行っておりますが基本的に主な業務としては融資業務、預金業務、為替業務をメインに執り行っています。
ノンバンクは融資業務に特化し基本的には融資業務のみ執り行います。
(その他融資業務に付帯し不動産売買、保険の代理店業務を行うノンバンクもございます。)
融資業務についてお話をしますと一番の違いは金利ではないかと思います。
銀行は高くても2?3%台、安い金利ですと1%台の商品がありノンバンクにおいては私の知る限りでは変動金利で3%台の商品が安い金利水準であり平均的には5?8%位の金利商品が多いのではないかと思います。
次に不動産担保において考えられるのが社会的な認知度です。
例を上げてみますとお客様が不動産を売却される場合において大手不動産会社に相談した場合に担当者がお客様の不動産の登記簿謄本を拝見した場合、銀行の借り入れのみですと普通に住宅ローンで借り入れされたのですかとの質問で終わる場合が多いですが、
その他、大きく違うのは法律だと思われます。
銀行は銀行法を遵守し私共ノンバンクは貸金業法を遵守しますので融資業務において差が出てきます。
その大きな差は総量規制です。
現在TVのCM等で銀行がカードローンの宣伝をしてますが、銀行が直接融資を行う場合には銀行法では総量規制はございませんので銀行で融資枠が取れる場合には収入の3分の1までという規制がございませんので年収を超える融資も可能です。
ノンバンクにおいて信用融資を行う場合には貸金業法には総量規制の適用がございますので収入の3分の1までが融資の上限です。
(除外項目もあり、融資ができる場合もございます。)
その他違いはありますが融資業務においては総量規制が一番の違いだと私は思います。
今回は思いつくままに簡単ですが銀行とノンバンクの違いを記入してみました。
お客様の参考に少しでもなれば幸いです。
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003. 銀行とノンバンクの違い②
前回に引き続き銀行とノンバンクの違いを説明したいと思います。
ノンバンクに勤務している立場ではございますがご融資を希望される場合、事業者でも個人借入でも銀行が融資をしていただけるのでしたら基本的には銀行融資に勝る物はないと思います。
ただ全員が銀行での取引が出来るかといいますとそうではないと思いますのでそこに私たちノンバンクの存在意義があると思います。
不動産担保ローンにおいて銀行とノンバンクの違いはスピードだと思います。
資金の利用まで時間がありじっくりと腰をすえて融資申し込みが出来る方は銀行での借入を私はお勧めいたします。
不動産担保融資において銀行の場合には早くても1?2週間かかるのがざらであり審査結果を待たされてお断りを受けるお話も良く聞きます。
不動産担保を扱うノンバンクでは早い業者では当日融資を行う業者もあり基本的には不動産の現地調査にかかりましたら2?3日中に結論を出していただける業者が多いと思います。
その他に私が銀行とノンバンクの違いで銀行が有利だなと思われる点は不動産担保を扱うノンバンクでは収益物件の不動産融資において現在の不動産の担保評価を基本として見ますので将来的な収益性などをあまり考慮しない事が多く評価以上の融資がなかなか難しい場合がございますが、銀行等では収益物件の評価を出す場合満室になった将来の利回りなどを見て評価以上の融資を行う場合もありますので私どもが融資出来る以上の額を融資するケースも見受けられます。
ノンバンクの利点としましては銀行の融資においては公的な収入証明がないと融資が難しい場合が多く自営業の方では確定申告、会社決算等を最低1年しなければ融資審査を受け付けていただけない場合もございますが不動産担保ローンの場合には不動産の評価があり事業計画がしっかりしていれば確定申告、会社決算等を待たなくても融資が出来る場合がございます。
創業当時は私共ノンバンクを利用していただき1-2年の間にしっかり準備をして銀行で借入され融資の全額返済をされるお客様もいらっしゃいます。
この様に銀行とノンバンクにはお互い利点もございますのでお客様のニーズに合わせてご利用になるのが最善の方法だと思います。
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004. 保証人を頂く場合の説明義務
今回は現在の保証人をいただく場合の融資会社の説明義務について簡単に説明したいと思います。
まず私は不動産担保を専門に永年業務を行ってきましたので無担保融資における取り扱い方には若干の相違があると思われますが同じ貸金業業者ですので法令に沿ってお互い営業をしてますので大きな差はないと思います。
まず過去に無担保融資業者における保証人トラブルによって現在保証人に対する融資内容の説明義務は徹底されております。
昔の様に保証人との間に極度額契約を結び、初回融資をした後に保証人に内密で増額し保証人の知らない借金が増える様な事は禁止されております。
不動産担保ローンにおいて不動産を担保にしてますので保証人は基本的にいただきませんが担保所有者が父、母などご本人様以外にいらっしゃる場合には担保提供者兼保証人としていただいております。
融資において時々相談いただく事が契約書類を借主が預かり担保提供者に署名してもらい提出しますので担保所有者に会わず融資が出来ないかという相談です。
残念ながら現在では必ず担保提供者又は保証人にお会いし面前にてご署名・ご調印をいただく事が必須でありますのでどうしても担保提供者又は保証人にお会いできない場合にはお断りせざるを得ません。
遠方又は高齢でご来社いただけない場合には会社によっては訪問契約も相談できます。
(対応出来ない会社もございますので良く相談して見てください。)
現在では契約前に事前説明が必要であり事前説明において契約金額、返済期間、年利率、毎月の返済額、ご返済いただけない場合に起こりうる担保提供者又は保証人に対する不利益等事いろんな事項を細かく説明をしますので担保提供者又は保証人抜きに契約が進む事はありえません。
また追加で融資を希望される場合でも担保提供者又は保証人の再承諾が必要になります。
上記を理解、承諾いただけて初めて契約に移ります。
不動産担保ローンにおける担保提供者又は保証人がいらっしゃる場合には契約書類等は説明義務が多くなりますので枚数が増えてしまい契約時間も長くなりがちです。
この様に現在では保証人に対する保護の観点から保証人に細かく内容を説明する義務を貸金業者が負いトラブルの無い取引を心がけております。
取引をされる場合には貸金業者に説明をしっかり求め説明があやふやだとか契約を催促するなどの行動が見える場合には取引を中止するなど冷静にご契約を進める事が大事だと思います。
皆様が透明性のある良いお取引が出来れば良いと思います。
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005. 貸し金業者数の推移と免許番号の見方①
今回は現在の貸金業者数の推移と貸金業が営業を行う時に掲示する貸金技免許番号の見方について簡単に説明いたします。
まずは免許番号の説明の前に現在正規に免許を受けて営業している業者数とその推移について説明いたします。
まず平成11年3月末現在の貸金業の総登録者数は30,290社でした。
当時は免許取得の条件のハードルが低かった為とりあえず免許を取得して営業活動をしていない業者、闇金業者でも免許を取得して堂々と営業してるケース等実体の伴わない業者も含まれており登録者数はかなりの数でした。
その後免許取得条件も徐々に厳格化して来て、免許を許可する前に営業実熊の調査、業務経験の有無の確認など実態の無い登録は許可しなくなり、正規登録をしていても闇金業者等の登録は排除されてきて平均1万数千社で推移してきました。
その後、国会において総量規制の法律が成立した段階で今後の収益を考え廃業する業者が徐々に出てきて1万社をわりだし平成22年6月に総量規制の法律が施工開始された後の平成23年3月末の登録者数は2,589社に減少しました。
廃業した業者の中にはかなり優良な業者もかなり含まれていたと思います。
私共の取引先の中にも所有権以外にも借地・持分権問わず低利な金利で融資を行う優良業者も含まれておりました。
廃業する理由を聞いたところ今後収益性及び成長が見込めなくシステム維持等で数千万掛かる為、今後その資金を不動産業務に注入しそちらで収益を上げて行くので廃業が決定したとお話を聞いた事がございました。
そして現在平成27年3月末の段階では全国で登録者数は2011社の状態です。
その登録者数もここ数年間右肩上がりでは無く徐々に減少傾向の状態です。
私個人の意見としては業者数の減少はお客様の選択肢を減らすことになり最終的にはお客様の不利益になる事もあると思います。
今後は貸金業界としましても悪質な業者は排除し健全な業者を増やしお客様のニーズに合わせて色々な条件を提示出来、安心して取引が出来る様な魅力のある市場になれば新たなお客様も増えて収益力も上がって行くと思います。
収益が見込める様になれば新たに参入する貸金業業者も徐々に増え魅力ある業界に成長して行けると思いますので今後当社も含め業界自体が努力をして行ければと切に思っています。
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006. 貸し金業者数の推移と免許番号の見方②
お客様が融資を受ける会社を選ばれる際の判断基準として多いのが免許番号を見て決定される事です。
皆様が一番注目されるのが免許番号の前についている( )内の番号だと思います。
おわかりの方が多いと思いますが( )内の数字は業歴を表し数が多ければ長く営業を続けている証明です。
不動産業においては更新は5年に1回ですので(1)の記載の場合には開業から5年を過ぎていない事を表します。
金融業において更新は3年に1回ですので(1)の記載の場合には開業から3年を経過してない事を表し(2)ですと3年以上6年未満の業務年数を表しています。
営業所が一つの県内の場合には都道府県知事、複数の県に営業所が有る場合には財務局長の名称にて登録表示されます。
(例)東京都のみで4年営業している業者の場合
東京都知事 (2)第○○○○○号
(例)東京都・埼玉県で2年営業している業者の場合
関東財務局長(1)第○○○○○号
上記の様に貸金業の免許番号は必ず広告内、営業所の見やすい場所に掲示されております。
ただ番号を見るうえで注意が必要な点は
①個人営業より法人営業に会社形態の変更に伴い免許を切り替える場合には再度新規登録が必要になり免許の番号は(1)になります。
逆の場合も同じです。
当社も開業当時には個人営業にて業務を行っておりました。
当初(4)まで業歴を重ねてきましたが会社形態の変更に伴い法人化した時には免許の新規登録となり(1)になりました。
②複数県で営業所があり財務局長登録の貸金業者が業務縮小の為、営業所を一つにし新たに都道府県知事登録に変更する場合にも新規登録が必要になる為(1)よりのスタートになります。
逆の場合も同じです。
この様に( )に記載されてる番号は一つの目安になりますが会社ごとに色々と事情がある為、(1)がすぐに新規業者を表す場合で無い事もございます。
興味がある会社には一度業歴を聞いて見るのも一つの方法だと思います。
免許番号を見る事が一つの判断基準になり皆様が良い金融会社とご縁が出来良い取引が出来れば良いと思います。
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007. 不動産担保ローンの融資において諸経費以外に
今回は不動産担保ローンの融資実行時にお客様が意外と計算に入っていないお支払いいただくべき物についてお話いたします。
まずお客様は融資お申込みの際にはご自身が必要な金額を融資希望金額としてお申込みいただく方が多いです。
お客様は当社の様な不動産担保ローンのみを取り扱うノンバンクでの申し込みが始めての場合が多く融資時に事務手数料の他に印紙、登記費用等の諸経費が掛かる事がわからない場合が多く諸経費の説明をして融資希望金額を考えていただいております。
その後申し込みをいただき現地調査を行い融資可能額を提示し最終決済にあたり審査に必要な納税証明等の公的な書類を取得していただいた時に出てくるのが税金の未納等です。
資金使途が納税目的のお客様以外にご自身の未納額を把握されていないお客様が多く納税証明を取得していただく段になり意外とご自身の税金未納金額が多い事がわかる場合がほとんどです。
現在ほとんどの不動産担保ローンの会社では所得税、市県民税、固定資産税、健康保険料の未納がある場合には完納が条件になります。
それに付帯する延滞税も完納が条件です。
一昔前では延滞税について国税以外の都道府県レベルでは本税を一括で支払う事を条件に延滞税については減免または繰り延べしてもらえるケースが多く本税を支払えば税金未納無として融資実行になる場合がほとんどでした。
現在では本税は完納しているのに延滞税が未納の為、給料差し押さえ、固定資産の差し押さえ等行われるケースも多くなっている為、融資会社としては融資時に延滞税も含めた税金の完納が条件になる場合がほとんどです。
税金の延滞利息は意外と高く長い時間放置しますと延滞税が本税を上回っている場合もございました。
税金は後回しにしがちですが無駄な延滞税を支払う事になりますので納期毎にお支払いされる事をお勧めします。
その他にマンションが担保物件の場合には管理費、修繕費の未納部分もお支払い対象になる場合もございます。
マンションは管理費滞納などによる管理組合よりの請求、訴訟も多くなってきましたので未納がある場合にはお支払いいただいているケースがほとんどです。
上記金額は融資申込時には計算に入ってない場合も多く融資枠がその未納部分まで伸びれば宜しいのですが不足になる場合も多い為、申込時には良く把握されお申込みいただくのが良いと思います。
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008. 税金等による登記簿謄本上の差押について
ノンバンク又は銀行で借入を申込まれる際に審査に必ず必要になる書類が登記簿謄本です。
謄本をお客様より提出又は融資会社が取得した際に所有者の確認の為、甲区のページを拝見した際にまず所有者が誰なのか、所有権の移転の経緯を確認した際にドキッとくるのが甲区に差押さえが設定されてる場合です。
私共は差押さえにいたった経緯等をお聞きし対応しておりますが、金融機関によっては差押さえが設定されてるだけで融資案件として取り扱わない所もございます。
差押さえの場合、乙区に記載されてる部分とは異なり債権額がわかりにくい為、いくらの債務があるか把握しづらい物です。
差押さえは1万でも100万でも債権者の名称しか記入されていない為お客様から詳しい債権額をお聞きしないと把握が難しいです。
お客様よりお申し出をいただいても遅延損害金を計算されていない場合も多く役所に確認を取った時に正確な負債額がわかる為、お客様より当初お聞きしていたより多い場合も多いいです。
融資金による支払い先の打ち合わせにおいてお客様のお申出で多いのが分納で役所と話がついてるので税金分の一括でのお支払いは猶予できないかとの事です。
不動産担保ローンにおいては税金未払い分が債権に優先する都合上、融資時点での税金未納分は完納が条件であります。
税金未納分で融資対応可能額が届かず融資否決になるケースもございます。
よくあるケースとしましてはお客様の方で役所等と税金を毎月分納する事で約束され本税部分は支払いが終わってるのに延滞税部分の支払いをされてなくて差押さえが設定される場合がございます。
お客様の方で役所等と税金を毎月分納する事で約束されていましても本税に対する延滞税は課税されて行きますので本税未納額残金を延滞税が上回る事も珍しくありません。
住民税、固定資産税、健康保険料などは1期ごとの金額は少なく後回しにしがちですが2?3年放置いたしますと本税、延滞税などでかなりの金額になるケースは良くございます。
現在では国、各自治体ともに税収確保の観点から一昔前までにはのんびりと督促していた物が現在では不動産差押さえ等、税金徴収のスピードが速くなってきた様に思います。
税金等の公的な支払いは後回しにせず納付期限毎にお支払いして行かれる方が無駄な延滞税をお支払いせずにすみますので良いと思われます。
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009. 不動産担保ローンと税金の事例
今回は当社の15年位前に融資実行いたしましたお客様の税金の事例をお話いたします。
当時の銀行はバブル経済崩壊の痛手から融資を手控える様になり自己資本比率を高める為に債権回収に力を入れていた時期でした。
当社にご相談をいただきましたお客様は景気が良い時にご商売の規模拡大を行い銀行より5,000万の借入債務を抱えておりました。
景気が落ち込み仕事量が減った当時では売上より経費が掛かり銀行の支払いが1年滞っている状態であり銀行は競売申請を申し立てている状況でした。
自宅兼仕事場を併設している住居の為、競売落札をされて立ち退きの場合には仕事場がなくなり生活をして行けないので融資において肩代わり返済をしたいとのお申出でした。
当社がお申込みを受け現地調査をし査定をさせていただいたところ、融資額としては3,600万円が上限との評価でした。
お客様に当社では5,000万の借入残高がある為、融資可能額に届かない事をお伝えしたところ何とかならないかとのご相談を受けました。
お客様とご相談させていただき、まず不足部分のご用意を自己資金、親族よりの借り入れが出来ないかおたずねしましたが難しいとの事でした。
お客様に難しいかもしれないですが、資金の手当てが出来ないとの事ですので、銀行と交渉し債権の減額を申し入れてはどうかと私共はご提案させていただきました
当時の銀行は債権回収が優先でしたので不良債権は相談次第では競売落札価格に近い数字で減額していただき返済を受け入れていただけるケースもございました。
お客様も手持ち資金が用意できないのでその方法でお願いいたしますとの事になり、当社が窓口になり銀行との交渉が開始されました。
順調な交渉ではございませんでしたが、何度か交渉するうちに先方が当社側の要望を受け入れていただける様になり融資金額内にて抵当権の抹消に応じていただける事になり融資において銀行の借入は完済になりました。
融資契約前お客様には債権を減額にて完済なので税法上問題は生じないか税務署に一度相談した方が良いのではないかとのアドバイスをしお客様は時間がある時に税務署に相談にいって来るとのお話をし契約を調印し無事融資実行が終わりました。
数ヶ月順調に返済をいただいていたある日お客様より急遽電話があり税務署から呼び出しがあったとのご連絡をいただきました。
お話をお聞きしますと融資後お客様は仕事が忙しかった為、税務署に行かずにいたところ税務署の見解としましては債権の減額を受けた部分は所得と見なされその部分に対して所得税を請求するとの事であり納期まで納付出来ない場合には不動産に差し押さえをするとの事でした。
金額は数百万円になりとても一括でお支払い出来る金額ではございませんでした。
お客様と相談したところ現在仕事量も減り自宅兼事務所としては広くなり経費もかさんで来てるとの事でしたので仕事場を移転し自宅を売却し処理してはどうかとご提案させていただきました。
税務署と打ち合わせをし売却を進めてくれるなら納付期限が到来しても差し押さえを待つとの事でした。
その後お客様と新たな店舗を探し居住用不動産も見つかり不動産の買い手も付いたので売却をし当社返済及び税金滞納分を完済出来ました。
その後のお客様は不動産売却にて残金が手元に1,000万位残りましたので商売に資金投下しご商売をがんばっておられます。
この様に税金処理は後回しにしがちですが差押さえ等が設定されますと売却にも影響を及ぼす場合もございますのでお支払い出来ない場合でも税務署と打ち合わせをし処理していくのが一番賢い方法だと思います。
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010. 闇金業者のなりすまし詐欺に注意しましょう①
今回は当社も被害を受けています闇金業者のなりすまし詐欺についてお話いたします。
先日当社の営業担当がお電話を受けますと始めてのお客様より御社からメールで融資の案内を受けたのですが信用で300万融資を受けられるのですかとお問い合わせがございました。
当社は信用での融資及び勧誘は行っていませんので、失礼ですがお掛けになる会社をお間違いではないですか?とお聞きしたところ当社の社名、登録番号が記載されたメールが送られて来たそうです。
メールには300万まで融資可能との内容が記載されてましたがそこには住所、会社の連絡先が記載されてないので不思議に思いインターネットで当社社名を検索し当社ホームページを見て連絡をしてきたとの事でした。
お客様には当社では勧誘メールは送信していませんし信用での融資業務は行っておりませんので、そのメールは闇金の恐れがありますのでくれぐれもメールの返信等の接触は持たない様にお話をしお電話を切らせていただきました。
その後、数件同様の電話が掛かってきましたのでその都度注意を促させていただきました。
現在個人情報の保護の観点より法令順守の会社はお客様よりご登録をいただかない限り、勝手に個人のメールアドレスに商品勧誘のメールを送りつけてくる会社は無く、そういうメールには注意が必要だと思われます。
また貸金業を営む会社は各都道府県知事に登録し免許を取得する事が必要であり、正規に登録している金融業者は監督官庁より毎年抜き打ちで立ち入り検査が入るため無店舗で営業活動をするという事は考えられません。
現在貸金業登録業者は広告には登録番号、所在地、連絡先は必ず記載しなければならず現在では昔の様に登録だけしておいて店舗が無いという事は処罰の対象になります。
闇金などは処罰を恐れ店舗所在地は明かせないため無店舗状態で営業している状態だと思いますので連絡先を記載しないメール等を送りつけ返信があったお客様を取り込み詐欺行為を行っていると思われます。
この様に怪しい広告が届いたら接触をもたず無視するか居住地の最寄の警察署に届け出る事が大事だと思います。
皆様も不審な業者にはくれぐれもお気をつけください。
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011. 闇金業者のなりすまし詐欺に注意しましょう②
今回は前回も取り上げました闇金業者のなりすまし詐欺について当社が把握している点をご紹介いたしますのでくれぐれも怪しい業者とは取引を行わない様ご参考にしていただければと思います。
前回まで当社が把握していました事例といたしましてはお客様のメールアドレスに社名、登録番号だけ記載され融資が300万まで可能ですとのメールが送られて来る手口が主流でしたが近頃は直接お客様の携帯電話に勧誘の連絡が来るケースもあるそうです。
基本的には個人情報の問題がありますので、お客様の連絡先に勧誘のお電話をする事は考えにくい営業方法です。
そういう連絡があれば取り合わないのが一番だと思います。
その他手口としましては本人確認の為と称してキャッシュカードを送ってくださいなどのお話が出るなどの事例が確認を取れてます。
当社のなりすまし闇金業者の事例をを報告させていただきましたがその他金融業者に確認取りました所、社名を悪用され同じようになりすましの被害に会っている金融業者も増えてきてます。
登録を受けている金融業者は免許番号、名称、所在地、連絡先を広告に明記する事が義務付けられている為、所在地、連絡先が記入されていない等の怪しいメール、電話等が掛かって来ましたらくれぐれも気をつけて被害に会わない様ご注意ください。
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012. 協会の監査が無事終了しました
今回はあまり知られてはいない貸金業登録者の業務に対する監査・検査についてお話したいと思います。
まず貸金業免許を受け営業を行っている金融業者は規模の大小はあれ内部監査体制を構築し定期的に法令遵守、反社会的勢力に対する対応、個人情報管理、貸付業務に対する管理等、数十項目に渡り定期的に違反が無いか、適正に営業活動が行われているか内部監査を行っております。
ただ内部的に監査、チェックが行われていても、それがお客様には正しく行われているかわかりづらい物です。
営業活動、法令順守等が適正に行われているかの確認として監督官庁の立ち入り検査があります。
当社の場合には東京都が免許権者である為、東京都の立入検査がほぼ毎年ございます。
立ち入り検査は不定期に行われ貸付残高が多い会社では数日にかけて行われる場合もございます。
立ち入り検査の内容次第では営業停止または免許取り消し処分もございます。
一般的な貸金登録業者は免許権者の立ち入り検査のみですが貸金業協会に加盟している会社は別途協会による書類監査または立ち入り監査をほぼ毎年行います。
監査は貸付が適正に行われてるか、法令順守は守られているか等数十項目に渡る設問に対し数日にかけて回答及び書類提出を行い違反点または改善点が無いかの確認を行います。
上記の中に違反、改善点があれば指摘を受け改善・見直しをして行かなくては行けません。
当社も今年貸金業協会の立入監査が行われましたが特段大きな問題もなく無事監査が修了いたしました。
多くの貸金業者ではこの様に法令遵守の精神をもって業務に取り組んでいます。
当社もこれからも社内管理体制を強化しこれからも法令遵守の精神をもって頑張ってまいります。
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013. 長期ローンを組まれる場合の返済期間について
今回は長期ローンを組まれる時のローンの返済期間について私見を交えながらお話をさせていただきたいと思います。
まずこのお話の大前提は融資が長期で組める場合です。
(お客様のご年齢、収入内容、資金使途等で当初より長期ローンが組めない場合もございますので。)
融資のお申込みをいただきお客様と打ち合わせをする時に、お客様がどうしようかと考えられるのが返済期間です。
大体のお客様の心理としてあまり長い期間のローンを組みたいと思われず、出来る限り早く返済したいと思われる方がほとんどです。
基本的にはお客様の希望を優先させていただき返済期間を設定させていただきますが、迷っていらっしゃるお客様にアドバイスとしてご提案させていただくのは毎月の返済金額は無理のない額に抑えておいたほうがいいですよとの事です。
100?200万の小額の融資でしたら20?30年組まれるのは現実的な長さでは無いため、10?15年以内に抑えていただきますが1,000万以上の大きな金額の場合は長めに組まれて元金の繰上げ返済を有効に使い返済をされた方がいいとご提案させていただいております。
(会社によっては繰上げ返済禁止、一定以上の金額でないと受け入れが出来ない、手数料がかなり掛かるなどの場合もございますので繰り上げ返済条件は良く相談して返済期間は決めてください。)
まずご自身の性格上、短い期間で毎月決まった金額を返済して行くほうが計画的でありその方が返済しやすいと思われるお客様は返済可能金額で返済期間を設定される方が良いと思います。
それ以外のお客様に私がアドバイスさせていただくのは長い返済期間には予期せぬ出費もありますので毎月の返済を現在のご自身がお支払い可能な上限に設定した返済計画を立てないほうが良いですよとアドバイスしてます。
なぜなら返済金額が数万足りなくて返済が遅れた場合でも延滞扱いとなり遅延損害金が借入金利の2倍以上掛かる場合もありえるとの事です。
基本的に融資会社は毎月の定額の返済が5万とした場合、どうしても今月は苦しくて3万だけ入金をして残り部分は翌月に合わせて入金しますので延滞にしないで欲しいというお客様のご要望はほとんどの金融業者で受けられないからです。
約定の金額を返済いただけなければお待ちはしますが、定額の返済が出来ない場合にはローンの取り扱い区分は延滞扱いとせざるをえず、遅れを取り戻せるまでは延滞扱いになるという事です。
正常化されるまでに時間がかかりますと任意売却、競売等のお話が出る場合もあると思われます。
毎月の返済額を抑えておく利点としましては金融機関によっては繰り上げ返済を行いますと返済期間の短縮は出来ますが毎月の返済金額の減少は出来ない場合もあるからです。
銀行引落のシステムの都合上、毎月の返済額面は変更出来ない場合があり毎月の返済額をスリム化したいと思い繰り上げ返済をしても返済期間のみ短縮され毎月の返済額のスリム化が出来ない事もある為です。
融資を行う会社としましてはお客様とご縁がありローン取引のお付き合いが出来ましたら長い期間のお付き合いになりますので、毎月遅れずにお支払いいただく事が一番ありがたい事です。
融資の申込み時には返済方法、返済期間、繰上げ返済の有無、繰上げ返済の条件などを担当者と良く打ち合わせをされローン商品を組まれ良いお取引が出来る事が一番大事だと思いますので申込み時には色々なご相談をしっかりされ皆様が良いお取引が出来ればいいなと思います。
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014. 貸金業務取扱主任者制度の変遷
平成29年度貸金業務取扱主任者試験の合格者の発表が平成30年1月10日に行われました。
不動産業における宅地建物取引士の試験は世間的に認知度は高いと思われますが、貸金業における貸金業務取扱主任者試験はあまり聞いた事がないと思われます。
その昔、貸金業を営むには不動産業のような主任者の制度は無く、法的に会社内を管理する立場の者はいなくても貸金業の免許は取得出来るため貸金業の免許取得のハードルは低く悪質な業者も参入しやすく業界的には決して社会的に認められてるとは思えませんでした。
(闇金融業者と間違えられる事も多かったです。)
それ以降、貸金業の業界は独自に消費者保護、業界の地位向上の目的から自主的に貸金貸金業務取扱主任者の様な立場の者を一名任命し設置する様に登録を受けている貸金業者に指導をする様になりました。
ただそれだけでは法的な拘束力は無く権限も特に無いような状態でした。
その後、貸金業務取扱主任者の制度が平成15年8月の貸金業法の改正で創設され、制度開始当初は会社に主任者の設置が義務化され主任者を1名選定し講習を受け登録、設置というレベルでしたので、1日講習を受講すれば貸金業務取扱主任者登録を受けられる様になりました。
その後、平成18年12月の貸金業法の改正の3条施工(平成21年6月18日)から宅地建物取引士と同じ様に国家資格となり、貸金業務取扱主任者試験が開始される様になり、試験に合格をしなければ貸金業務取扱主任者になれなくなり以前までの講習のみで認定された貸金業務取扱主任者は廃止となりました。
4条施工(平成22年6月18日)以降、貸金業務を行う会社は営業所、事務所毎に試験に合格し主任者登録を受けた貸金業務取扱主任者を法令で定める人数を設置しないと営業が出来なくなりました。
貸金業務取扱主任者試験は開始から数年経過し平成29年には試験回数が第12回目を向かえました。
国家資格としての貸金貸金業務取扱主任者試験が行われる様になり、主任者を設置出来ない会社は免許取り消し処分になる為、私は第1回の試験を受けましたが当時問題集も無く、手探り状態で試験問題を想定し勉強しました。
試験当初は合格率も50%を超えていたと思いますが、現在では試験回数を重ねるうちに合格率も低くなり、試験としてのハードルも上がって来てるのを見ますと、早めに取得しといて良かったなと思います。
今後は貸金貸金業務取扱主任者の試験も宅地建物取引士試験の様に回数を重ね資格試験として重く扱われる様になれば、自然と業界の地位も向上して行くのではないかと思います。
私共も資格者として恥じない業務を今後も行って行きたいと思います。
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015. 生前贈与の不動産で担保融資を受けられる場合のお客様の注意点
今回は不動産の生前贈与を受けられたお客様が融資申し込みをされる場合、ほとんどのお客さまに金融業者が確認を入れる点をお話します。
今回は当社及び当社取引先の基準でお話しますので他社においては条件が違うかもしれません(ただほとんどの業者が似た形になると思います。)
まず私共が生前贈与を受けられた不動産を担保にご融資のご相談をいただきチェックするのはいつ生前贈与の登記が行われたかです。
移転登記が完了し10-20年経過しているお客様には通常所有権として取り扱いをしますので前所有者との関係性だけをお聞きする位です。
移転登記が直近または登記完了して2?3年前後の登記に関しては、私共金融機関は細心の注意をはらいます。
なぜなら、法務局において登記の移転は申請の書類の不備がなく申請の様式さえ整っていれば所有者の意思確認をする事無く受理されるからです。
そこには贈与者に対する電話、面談での確認は無く書類において意思の確認とされているからです。
10?20年前に移転された登記に対して真の所有者が意義申し立てを申し入れてもその間放置していた真の所有者にも落ち度があるということで融資を行った債権者に有利な判決が出る場合も多いですが、直近の移転の場合には確認義務を怠り融資を行った債権者に不利な判決が出ることがございました。
上記理由で金融機関は贈与者と増受者の移転が司法書士を通して行われた場合には、司法書士の先生に贈与者の意思確認が真正に行われたか確認を取ります。
(他社金融機関では贈与者ご本人に対する確認も必要な場合もございます。)
当人同士で行われた移転に関しては贈与者に真正に贈与が行われたのか確認を取る場合がございます。
この場合には特に個人間で移転登記が行われておりますので贈与者の意思確認は必須事項になります。
この様に贈与を受けられる場合には金融機関は注意をしますので贈与を受けられる予定の不動産を担保に贈与者に内密で借入れを希望の場合には、贈与者に確認事項が生じる場合がございますので担当者と密に打ち合わせをし、贈与移転を含めた融資の流れを確認されたほうが良いと思います。
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016. 生前贈与不動産を担保に成約した事例
今回は生前贈与で取得された不動産を担保に当社でお取引いただきましたお客様の事例をお話いたします。 東京にお住まいのA様は地方都市の不動産を担保に融資が検討可能か当社にお問い合わせをいただきました。 住所、土地面積、希望金額、ご収入をお聞きし検討可能なお話ですので詳しく調べさせていただきたいので登記簿謄本等不動産に関する資料をFAX又はメールにて拝見させていただきたいとお願いしたところ、A様は当社は自宅より近いので一度資料を持参し相談したいとの事でしたのでご来社をお願いいたしました。
ご持参いただきました登記簿謄本を拝見させていただきましたところ、2-3ケ月前にA様の名字と違う方から生前贈与を受けられ所有権の移転がなされていました。 所有権移転の経緯をお聞きしたところ、地方都市に住む叔母様にはお子様がいらっしゃらない為、将来A様が叔母様の面倒を見られるので叔母様が所有されてる不動産を管理、所有をお願いされたので生前贈与にて所有権の移転をされたとの事でした。
まず私が所有権の移転登記の件でお聞きしたのが個人間で書類を作成し移転登記を行ったのか、司法書士に依頼し移転登記を行ったかでした。 前者の場合には完全なる当事者間の移転の為、勝手に現所有者が前所有者の印鑑、印鑑証明等を持ち出し書類を作成し法務局に提出すれば所有権の移転が行われる場合があるからです。 その場合には前所有者が所有権移転の無効を訴え裁判になるケースもあり、融資をした会社が敗訴するケースもございますので融資を行う会社は前所有者にご連絡、確認を取り真正に所有権移転が行われたのか裏付けを取るケースもございます。
その場合に前所有者から当社がどの様な会社か尋ねられましたら、お客様の詳しい申込み内容は守秘義務がございますのでお話はしませんが金融業である事は隠す事は出来ませんので、金融業者より確認の電話があった事により前所有者と現所有者の間でトラブルが起こる場合もございます。 所有権移転の経緯が後者の場合には公的な司法書士が登記移転してますので前所有者の意思確認を行っていますので司法書士の先生のお名前、連絡先をお聞きし確認を取れば以前までは問題はございませんでした。 今回の移転経緯のお話をお聞きしますと司法書士の先生に依頼をされ所有権移転を行ったとの事でした。
ただ謄本を拝見しますと謄本を取得した日から1ヶ月以上経過してますので 当社以外の他社にも融資の件をご相談されてますかとお聞きした所、2-3社相談をしましたが断られたとの事でした。 お話をお聞きしますと特に申込みをした会社より理由の説明も無く、長期間返答がないので結果をお問い合わせをしたところ、先方よりお断りされたとの事でした。
お話を聞き私が推察しますと他社で上記の様な状態なのは何か問題が生じ担当者がこの申込みにその後、手をつけず放置されていたのではないかと思われました。 当社はお客様よりお申込みをいただき、現地調査の不動産の評価も融資額に問題はなかったので 当社資金調達先と打ち合わせをしましたが資金先では評価に問題はございませんが所有権移転に懸念有との事でした。
詳しい内容は教えていただけませんが当社が今までの取引事例より推察するに、先に当社資金調達先に他社金融会社より打診があり 所有権移転経緯の説明の際に生前贈与に対して説明不足があり資金調達先では前所有者が高齢者なので 認知症は問題ないかの確認を金融会社に対ししっかり取っていただきたいとの指示があったのではないかと思われました。
先にお申込みされた金融会社では遠方の不動産ですので認知症の確認に手間がかかると思い、そのまま審査を進めずお断りされたのではないかと思われました。 司法書士に依頼し相続移転登記を行う場合には書類の記入が出来簡単な受け答えが出来れば認知症までチェックしないものです。 当社が資金調達先に提案しもう一度前所有者に対し指定司法書士より真正に登記が行われたのか確認を取り 生前贈与移転に対する承諾書を記入していただければいかがかと提案し電話にて確認、書面郵送にて返信が来次第融資実行という手順で決済をいただきました。 お客様も機敏に対応いただき無事確認が取れ、融資の取引が出来ました。 この様に直近の生前贈与には注意事項も多い為、生前贈与を受けてその不動産を担保にされる場合には担当者と打ち合わせをして進める方がよいと思われます。
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